ギタリストとしてのニール・ヤングは子供の絵日記

ニール・ヤングをギタリストとして評価する人が
どれくらいいるのでしょうか?
ソングライターとして、シンガーとして好きな人は
たくさんいるだろうけれど、
ギタリストとしてはどうなのでしょう。

僕はニール・ヤングのギタープレイが大好きです。
いわゆるテクニシャンではありません。
ヴォーカルスタイルと同様に、というと語弊があるかもしれませんが。
二ールの場合、テクがどうこう、というのは
ホントにどうでもいい気がします。
もちろん、テクがないわけではないし、きっとそういう部分での
向上も心がけているのだと思いますが、彼のギターの場合、
なにがって「歌心」なのです。

ニール・ヤングは、僕にとってはソングライターの部分が一番大きい人で、
いい曲を作る、創れる人/ニール・ヤングというのが、僕の認識なのです。
そしてギタリストとしてのニールというのは、
そのソングライティング力のすばらしさがそのまま出ている、
たどたどしいけど美しいメロディアスなフレーズを弾くギタリスト、
なのです。

また、愛器ファルコンのトレモロアームを使った極端なまでのビブラート。
これが「来る」のですよ。心の柔らかい部分に。


ジェフ・ベックのようなテクニシャンでぶっ飛び、というのも好きですが、
心の奥に入ってくるのはこういうギターなんですよね、僕の場合。


ニール・ヤングのことを書いた、別の回の『血液だ』では、
ニールのことを、ロックの北京原人だ、と書いたことがあります。
アーティストとしては、振幅の大きい、
なたで荒野をぶった切って進むような、そういうところも魅力なのですが、
ギタリストとしてみると、かなり繊細な
子供の頃のヴォイスを忘れていない人なんだな、と思います。

24色の色鉛筆で描いた夏休みの絵日記。
うまいへた、とか綺麗な音じゃない、とかそういうものを
一度取っ払って、ニール・ヤングのギターに虚心に耳を傾けてください。
遠くまで連れて行ってくれますよ、きっと。


相模の風 いしはらとしひろ
http://www.sagaminokaze.com/main.htm