ギタリストを体現している男 キース・リチャーズ

先日取り上げた、井上陽水さんの話に続いて、ギタリスト話を。


自分もギター弾きなので、好きなギタリストはたくさんいます。
どちらかというと、特別うまくはないけれど味がある、
というタイプの人が好きです。
いわゆるテクニシャン、にはあまり興味がないほうかな。


キース・リチャーズ。
言わずと知れた、ですね。
ローリング・ストーンズのギタリスト。


自分がプレイ面でも影響を受け、なおかつ好きだ、
ということで言ったらジョージ・ハリスンとならんで、
僕にとっての偉大なるギタリスト、です。
しかし、大好きなギタリストが、ビートルズストーンズってのは
どうなのよ?あまりにべたべたですね。
でも、本当に好きなんだから、よしです。


昨年のストーンズの来日も見たのですが、かれはもはや、
ギター仙人の域に達していると思います。
だって弾かなくてもかっこいいんだから。
彼はオープンチューニングを多用しているので、
左手で弦を一本も押さえず、右手だけ弦をはじく、
あるいは間の多い曲だと、一発音を出して、後は両手ぶら〜ん、
なんてことをよくやるのです。
その、弾いていない「間」にものすごい情報量と
かっこよさがあるのです。
「情報量」なんて言葉を使うとなんか変だな。
キースっぽくないような。
でもそうとしか言いようがない、素敵な「間」なのです。


もちろん彼のリズムギタリストとしてのバッキングセンスや
リフメーカーとしての才能は言うまでもありません。
覚えやすくて簡単で、しかも「燃える」リフ。
サティスファクションのリフなんて、ギターを始めて
一週間の子だって、ちょっと頑張れば弾けるでしょう。
でも、そういう、「簡単で」「かっこいい」もの、
というのはそうそう作れないのです。
キースはその辺、天とか大地とかネアンデルタール人とか、
何かその辺のものと指先が直結している人なので、
思考回路を通さずに、かっこいいものを弾いています。
見てきたようなことを書いていますが、
多分間違いないと思いますよ。


影響も受けたし、でも受けたがゆえに、
「絶対にこうは弾けないよな」とも思うし。
なんといっても、60歳を過ぎてもひたすら
かっこいいギタリスト。
大好きです。
彼がいるから、こっちも40歳過ぎても
のうのうと音楽やっていられるってモンです。


キース・リチャーズに感謝。



いしはらとしひろ