サティスファクションは美メロか?

今日はローリング・ストーンズのメロディに注目。
ストーンズで美メロ?ん?
アンジーか、アズ・ティアーズ・ゴー・バイか?
うん。知られている曲のなかで言ったらストーンズの曲ではメロディの立っている曲は少ない。
でも今日はストーンズの本領とでも言うべき部分、ロックンロールなリフ一発な方で。
「サティスファクション」
ストーンズでサティスファクション、といったら、ビートルズで「イエスタデイ」?といっちゃうくらいベタベタではないか?
しかも美メロを薦める、といっておきながら「サティスファクション」だ。


美メロというとたいていの人は、バラード系かせいぜいミディアムテンポの、メロの綺麗な曲を思い浮かべるだろう。もちろん僕もその手の曲で「美しいなぁ、好きだなぁ」というのは、いっぱいある。
でもいわゆるロックンロールやブルーズのフォーマットに乗っかった曲でも、美しいメロディ、というのはたくさん存在する。
このサティスファクションの場合、やはり「いわゆる美メロ」のラインからは、ちょっとはずれてしまうと思う。
でも、見事なメロディだな、と思う。あのバンドサウンドの中で、リズムとうまく絡み合って、メロディも充分に立っている。というか、やはりあの曲にはあのメロディ以外あり得ないし、メロ単独で口ずさんで充分に盛り上がる。ここは大事なポイントだ。


サティスファクションは、実は曲の構成の仕方やリズムなどが随分と斬新だ。今聞いてもそう思うのだから、リアルタイムででたときは、かなりの破壊力があったのではないか。もちろんそういう曲だからこそ、代表曲として生き残っているのだろうが。
ぱっと聞いたときにおかしいとは思わない。当然カッコイイじゃん、と思う。でもその中身は今までにないスタイルや方法論を使って(おそらく無意識のうちに)作られているのだ。そこが、そこいら中にうじゃうじゃいたはずの自己満足的ブルーズバンドと、ストーンズとの決定的な違いである。


また、特筆すべきはこの曲のリズム隊。
1965年のストーンズなので、後年に比べればやはり幾分ぎこちないのだが、この曲に関しては随分とファンキーである。まだ、ジェームス・ブラウンもファンクな曲を世に問い始めたくらいの頃。この曲の発表時点での「ファンク濃度」は相当高かったのではないだろうか?
この頃のイギリスのロックで言ったらビートルズの「ドライブ・マイ・カー」くらいではないだろうか、このファンクネスに対抗できるのは。


今回は、かなり曲を分析してしまったな。
あまり、やるまいと思っているのだが。
でもこんな風に聞く「サティスファクション」もたまにはいいと思うよ。
いいメロディなんだから。