サンタナはイキ顔でギターを弾く
その存在はずいぶん前から知っていたけれど、ちゃんと聴くようになったのはわりと最近。
かなりのビッグネームだが、今まで先入観だけでノーマークだった人。
なんかベタベタしていて、暑苦しい。なんかダサそう。
そんなイメージを抱いていて敬遠していたのだ、サンタナには。
ある程度好きになってよく聴くようになった今、あの先入観はやっぱり間違いで、サンタナは素晴らしい音楽性と...という風につづくといいのだが、好きになった今でも先入観で持っていたイメージは変わらない。暑苦しくてちょっとダサい。
前と変わったのは、それでも好きだ、といえるところだ。
ギターを弾いていてあんなにイキまくれる人は、そうはいない。
これは多分僕が変わったのだ。
音の許容範囲が確実に広くなった。楽しめる音の種類がすごく増えた。
その分、以前から好きだった音楽に対する、こだわりは薄くなったかもしれない。
これが年を取るということなのかもな、ともちょっと思う。
それなら年を取るのも悪くない。
昔は徹底して乾いた音が好きだった。
ストーンズ、ザ・フー、ジョニー・ウィンター、ジェームス・ブラウン、ポップ系ならニック・ロウとか、ビーチボーイズ。
余計な情緒を感じさせない音が好きだったのだ。
エアロスミスやビートルズも、もちろん好きだったが、若干湿気を感じる分、自分の中では、ちょっと落ちる存在だったのだ。
だが、最近はそうでもない。人生には湿り気だって必要だし、リラックスして聞くための音楽だって良い。
いつもいつもひりひりしていられない。
だって生活や日常で、それは十分に味わっているのだから。
湿り気とダサかっこよさがラテンビートでぐるんぐるんになっている、「ネシャブールの出来事」が、今日のお薦めです。