フォー・トップスはスケールの大きい唄で包んでくれる

フォー・トップス。
モータウン全盛期を代表するアーティスト、と言っていいだろう。
60年代から70年代にかけてのソウルミュージックでは、モータウンよりもアトランティック/メンフィス系のものの方が、好きな音楽は多いのだけれど、でも、だからといってモータウンが嫌いなわけではない。
これだけ素晴らしい音楽がカタログにあるのだもの、嫌いなわけがない。
モータウン所属のミュージシャンの中で好きなのは、なんといってもスモーキー・ロビンスン&ザ・ミラクルズなのだが、今日はその次に好きな、フォートップスを。

このフォートップス、なんと言ってもリードヴォーカルの人の声が好きだ。
確か、リーバイ・スタッブスという人だったかな。(うろおぼえ)この人の声の粗さ、そしてそれとは裏腹な、人間の大きさを感じさせるような、ふくよかな表現力。
なんか柄が大きい、という感じがするのだ。彼らの歌を聴いていると。

この60年代半ばのモータウンといえば、作曲チームの「ホランド/ドジャー/ホランド」が有名だが、この作詞作曲チームの最良の作品が、フォートップスへいっていたようにも思う。シュープリームスもH/D/H作のヒット曲は多いのだけれど、あくまでも僕の好みだが、フォートップスの曲の方が、完成度も一枚上手なような気がする。
曲がよくてその上、表現力のある素晴らしいヴォーカル。
和めもするし、また、心を揺さぶられもする。

その中でも極めつけの一曲。
「リーチアウト・アイルビー・ゼア」。
すごいぞ。
ぶっとぶぞお。
曲の良さ、アレンジ、ヴォーカルのすばらしさ、それらが高次元で結合するとこうなる、という見本だ。
素晴らしい瞬間が積み重なって、3分ほどの至高の時間を生み出す。
こういう曲に出会ったときは、ホント、音楽好きでよかったなぁ、と思います。