ポールといえば マッカートニー 実はファンキー

友達にポール・マッカートニーのべスト盤MDを作ってあげた。
まずは、ビートルズでのポールのリードボーカルの曲でベストを作ってみた。全23曲。こうして俯瞰してみると、曲作り、サウンド作りの主導権を初期はジョンレノンが持っていたのが、1965,6年頃を境に徐々にポールに移っていくのが、目に見えて分かる。
そしてポールだけのビートルズ・ベスト、となると、どうしても毒気が少なくなる。
やっぱり、毒方面はジョン・レノン、そしてジョージ・ハリスンが担当していたのだ。

もちろん、そこがポールの魅力なのだ。
まっとうで健康で、不良を気取っているけど、芯からのワルには絶対なれない。でも、ごくごく個人的な切なさや嬉しさを歌にした、そんなポールの歌が大好きだ。
こうしてビートルズにおけるポールの歌、というのを年を追って聴いていくと、世間でよく言われる「天才的メロディメーカー」という側面は当然だが、意外なくらい、ロックンローラーなのだな、というのを再確認させられる。
ビートルズの音楽のファンクネス、というのはあまり語られないところだが、僕は後期のビートルズというのは結構黒っぽいノリを前面に出していると思う。具体的に言うと、「ホワイトアルバム」以降だ。レディ・マドンナ ドント・レット・ミーダウン アイブ・ガッタ・フィーリン ヘイ・ジュード レット・イット・ビー ヤーブルース カム・トゥゲザー...こうして並べると分かるでしょ?
こういった曲の骨組みを作っている、リンゴとポールのリズムセクションのノリはかなり、黒い。
ロディアスな曲の代表のように思われている「サムシング」や「レット・イット・ビー」においてもそのグルーブは黒い。

ポールの歌のメロディは永遠だ。
だが、バンドとしてのビートルズサウンドに潜むマジックの一つは、ポール独特の「黒っぽさ」だと思う。

あまり大きな声で語られることはないが、リンゴとポールのリズムセクションは世界有数である。
ソングライターとして、ベーシストとして語られるのと同じくらい、「リズムセクション」として語り継がれていいと思う。

久々にビートルズを、ポールを集中して聴いて、あらためてそのすばらしさに心を満たされた。
彼らからもらった音楽の遺伝子を次の世代に手渡すべく、僕もいい曲作らなきゃ。