セロニアス・モンクだ 文句あっか??(言ってみたかったんだよう)

今日はセロニアス・モンク
僕が真剣に音楽を聴き始めたのは中学二年の終わり頃。
レコードをバンバン買えるほどの小遣いを持っていない僕にとって、音楽の供給源はFM放送のエアチェックだった。
そのエアチェックに置いてもごく初期に録音した曲、それがセロニアス・モンクの「二人でお茶を」だった。曲自体はスタンダードナンバー多分ドリス・デイあたりだったと思う。音楽にさほど興味のなかった僕でも、そのメロディには聞き覚えがあった。
そのメロディの崩し方や和音の付け方がジャズなんか、全然分かっていない僕の心にも、ひどく印象深く残った。大好きだったわけではない。その奇妙な感覚が好き嫌いとは違うレベルで、妙な引っかかりを残したのである。

それから27年も経って、僕はあの演奏に出会うことができた。
ついこの前買ったモンクのLP「クリス・クロス」である。
実は以前に買ったモンクの「ユニーク」にも「二人でお茶を」は入っていたのだが、僕の記憶にある、「お茶」とは演奏スタイルが全然違う。
「ユニーク」自体は名盤の名に恥じない面白いアルバムだったが、この「お茶」はあの、中学2年の時にエアチェックしたあのテイクで聴きたい。
モンクのアルバムを調べてみると、どうももう一つのテイクは「クリスクロス」というアルバムに入っているらしい。

ジャズのアルバムは原則としてアナログ盤で買うことにしている。
別に音質がどうこうというより、気分の問題だ。
だが、この「クリス・クロス」はアナログはもちろん、CDでもどの店にも置いていなかった。調べてみると別に廃盤になっているわけではない。
こうなってくると意地だ。いつ出会うことができるか。
僕の頭の中のチェックリストにインプットされてから、半年目くらいにやっと出会った。水道橋の中古盤店。

24年ぶりのご対面。
いいとか、悪いとか判断つかなかった。どうでもよかったそんなことは。
ただ、僕の記憶にあった以上の、瑞々しい音に感激した。
うれしかった。

あの頃に触れたものって、やっぱり原点なのかもな。