ルー・リードの歌心

ルー・リードと歌心。
およそ縁遠いものに思えますよね。
でも。

ライブは生もの。手を抜いたらそれはすぐ結果に出ますし、その時の気持ち一つで、音も違います。
今は自分としては非常にいい状態だと思っています。
「歌」にすごく「なりきれている」気がするのです。
もちろんそれを判断するのはお客様だから、ぼくはあんまり余計なことを言わない方がいいのかもしれないですね。
でも。歌そのもの、が大地からわき上がって、僕の体をするっと通り抜けてお客さんの元に届く、みたいな感覚がたまにあるのです。(いつも、と言えないのがまだ未熟なのですが)。
もちろん技術的なことは大事なのですが、「そういう感覚」こそが歌だな、とホントに思うのです。


技術的には僕の歌もギターも「未熟なところだらけ」です。
それは充分に自覚しています。もっとうまくなりたい、と素直に思う。
良くありがちな「歌は心じゃ」。というのにも陥りたくない。(そういう人はたいがい、練習不足の言い訳に『魂』をもちだすのです)


それを踏まえた上で、溢れ出てくるもの。音。
それこそが大事なのだなぁ。きっと。

久々に昨日、ルー・リードの「ライブ・イン・イタリー」を聴きました。
ルー・リードもまぁ、歌の上手さということでみれば、かなり?な人ですよね。
でもあの荒涼とした音風景の中からこぼれ落ちてくるものこそ、「歌心」なのだろうな、と思うのです。
前から好きなアルバムだったけど、なんだか、昨日聴いてはっきりと分かりました。

ルー・リードの歌心。
僕の歌心。
大地からわき上がる 歌の精霊 の言葉。


いしはらとしひろ