JBでターンを決めた彼女は元気なのだろうか?

ジェームス・ブラウンの「パパズ・ガット・ア・ブランド・ニュー・バッグ」
長いタイトルだ。
もちろん名曲だ。
しかもファンクなどという言葉がなかった1965年頃に、その原型を築いた曲の一つ。

もうずいぶん前、15年くらい前だが。
あるパーティライブに行ったことがある。
それは、DJが曲をかけて踊るのが半分、60’Sのソウルやロックのコピーをやるアマチュアバンドのライブが半分、というようなパーティだった。
当時、モッズを気取っていたので、三ボタンのスーツで出かけた記憶がある。
当然の如く、ダンス大会だったわけだが、そのなかで、すごくカッコイイ女の子がいた。もちろん今は顔なんて覚えていないのだけど、イメージは残っている。
あるいは残像といったほうがいいのか?
そのコが美人だったかどうかは定かでない。
ただ、滅茶苦茶ダンスが上手だった。
そして、このJBの曲の、サビに行く手前にギターカッティングのフックがある。そのリフレインの度に見事な二回転ターンを決めていたのだ。
長い髪がさっと流れて。フレア気味のスカートがふわっとふくらんで。
今でも目に浮かぶ。
オリンピックだったら、あのターンだけで金メダルだ。
あのコは体全体で、JBのファンクネスを表現していた。
音楽を誰よりも体から愛していた。
とっても素敵だった。

もちろん僕は彼女に話しかけることなんてできなかった。
今はきっと素敵なお母さんなんだろうな。