夏バテ防止にゲイトマウスおとーさんを

今日はまた、どーんと古いところへ。
クラレンス・ゲイトマウス・ブラウンの『ピーコック・オリジナル・レコーディングス』です。
これはオリジナルアルバムではなく、1950年代の彼のシングルを集めたコンピレーション。

ブルーズの人、と思われているようだが、彼の守備範囲はかなり広く、いわゆる『ごりごりの人』ではないです。つい先ごろ亡くなったようだが、もうちょっと前から知っておけば、とちと悔やんだ。だって生で見たかったもの、この人は。

’50年代の演奏ということが信じられないくらい、録音のバランスがよく、しかも流麗な演奏。
完成度、ということではこの時代の中ではダントツではないだろうか?
といってお行儀のいいかしこまった演奏ではなく、パワフルかつ、粋なブルーズがたっぷり詰まっている。

この人のブルーズはへヴィ、とか哀愁あふれる、とかいう類ではない。
パワーもあるけど、力任せでもない。
シャウトしまくっているわけでもない。
なんというか腹八分で弾いても、元のパワーが違うから、がつんとくるというかんじ。でも十二分にコントロールされているから、力でがーん、とはならず、なんともおおらかな、まろやかな聴き心地なのだ。

ギターはバカうま。テクニカルな部分でも、この時代の中では(いや後年になってもだが)ダントツのうまさではないだろうか?でも、彼の場合はこれ見よがしなところがこれっぽっちもないから、そして、ユーモラスでさえあるから、聴いてるこっちもつい、「ふっふっふっ」となる。
小さなライブハウスとかでゲイトの演奏を間近に見られたら、最高にご機嫌だったろうな。

音楽の滋味がたっぷり詰まっております。
夏ばてを乗り切るにはコレだぁ!